駅ホームを青色照明にすると…飛び込みが8割減 (読売新聞)

駅ホームを青色照明にすると…飛び込みが8割減
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20121009-OYT1T01190.htm?from=main1
 駅のホームに「気持ちを落ち着かせる効果がある」とされる青色照明を設置すると、列車への飛び込み自殺が約84%減少すると、東京大学の沢田康幸教授(応用計量経済学)らのグループが9日、発表した。
 青色照明の自殺防止効果が科学的に証明されたのは初めてという。
 沢田教授らは、2000~10年の首都圏の計71駅のデータを解析したところ、ホームからの飛び込み自殺は計128件あったが、ホームに青色照明が取り付けられた11駅では、設置後の自殺は昼間の1件のみ。照明を点灯させる夜間は0件だった。
 利用者数など駅の特性を考慮して試算した結果、駅ホームの自殺は、照明設置後、平均で約84%下落していたという。沢田教授は「青色照明も、ホームドアのように有効な鉄道自殺防止の方法と言える」と話した。
(2012年10月9日20時26分 読売新聞)

以前にはこういう記事も出ていました。
駅でモーツァルトの曲・青色照明…鉄道自殺、防止手探り
http://www.asahi.com/national/intro/TKY201209230379.html
JR新宿駅構内に張られた「いのちの電話」のポスター=14日、JR新宿駅
 列車にからむ自殺の防止策に、鉄道各社が取り組んでいる。心を落ち着かせる音楽を駅で流したり、青色照明を採り入れたりして試行錯誤を重ねる。効果ははっきりしないが、専門家は継続を求めている。
 東京都内のJR京浜東北線で11日、自殺とみられる接触事故があり、50分間にわたって満員電車が停車。乗客6人が救急搬送された。ホームや踏切から線路に入る自殺は、本人の命を奪うだけでなく、救出活動や安全確認でダイヤが乱れるなど影響が大きい。運転士の中には「直前に目があった」などトラウマが残り、運転できなくなる場合もある。
 自殺予防週間の始まった10日、東京駅周辺では、JR東日本の社員らが「自殺予防いのちの電話」の相談窓口が書かれたカードを利用客に配布した。同社では1999年から「いのちの電話」とタイアップし、自殺防止を呼びかけてきた。
 昨年11月からは、総武線の駅で「自律神経にやさしい音楽」というCDを流し始めた。リラックス効果を狙ってのことだったが、利用客から「音が大きい」などの苦情があり、8月からは同じくリラックス効果があると言われるモーツァルト、ショパンの曲に切り替えた。
 また、悩み相談を電話で受け付けるNPO「メンタルケア協議会」とOB社員が、昨年から3月と10月の平日、東京や新宿など約10駅を4時間かけて巡回し、ホームで声かけをしてきた。山手線全駅では、心を落ち着かせる効果があると言われる青色照明を設置した。
 京急電鉄や小田急電鉄でも、青色照明を採り入れている。事故防止で駅へのホームドアの設置も進んでいる。ただ、東京メトロの担当者は「設置しても乗り越えて飛び込まれたこともあった」という。
 昨年度、全国で起きた列車の運休や大幅な遅延は5278件あり、うち自殺によるものが601件。国土交通省のまとめでは、過去5年でピークだった2009年度の682件からは減少。JRや私鉄が青色照明を導入したのもこの頃だが、減少した明確な理由はわかっていない。全体の自殺者数は近年、年3万人台と高止まりが続いている。
■声かけ運動「抑止力ある」
 JR東日本と共同で声かけ運動に取り組む「メンタルケア協議会」では、駅員への聞き取りや精神科医のアドバイスから「自殺の危険サイン」をまとめた。
 (1)ホーム先端部分にずっととどまっている(2)なかなか電車に乗らず、何本も電車を見送っている(3)寒いのに薄着(4)焦点の定まらないような目つき――などをポイントに声をかけるという。
 活動を始めた昨年3月以降、自殺を食い止めたのは1度。理事で精神保健福祉士の西村由紀さん(44)は「活動中には自殺は起きておらず、一定の抑止力になっているのではないか。活動を続けることで、駅員や他の利用者にも自殺防止への意識を持ってもらえるといい」と期待する。
 「自律神経にやさしい音楽」を監修した都内の心療内科医、牧野真理子さん(58)は「自殺する人は孤独を感じていることも多く、声かけは効果があるだろう。音楽も青色照明も、検証しづらいが、誰かは救われているはずだ。鉄道各社は取り組み続けてもらいたい」と話す。(中田絢子)

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自殺防止の試みがなされることは必要ななことでもあるでしょうけど…。
実際に約84%下落としても、全体から見ると自殺防止には大きな効果はあまり期待できないのではないかと思います。とりあえず自殺とり止め、抑止の効果はあっても、自殺予防・防止という意味では。
しばらくして他の駅で自殺する、鉄道飛び込み以外の方法で自殺するなど。
効果も最初のうちだけでしょう。
おそらく、多くの駅に設置が普及すると、慣れてしまうこともあって、効果はなくなってくるはずです。
そんな簡単なことで影響を受けるような理由で自殺するわけではないし。
それなりの原因や理由があって自殺するわけで、電車に飛び込んで自らの生命を断つなんて余程のことです。
とりあえず、多剤大量処方が否定され、パキシル等SSRIなどの抗うつ剤等、特に自殺衝動を起こす危険性の高い、向精神薬の使用が減っているので、わずかながらも自殺は減る傾向にあると思いますが。
自殺増加、高止まりを抑えるという意味では影響もあるでしょうけど、もちろんそれで十分な対策になるわけではありません。
それでも相変わらず、うつ病などの精神疾患の早期発見、受診につなげるといった、自殺促進の一因となったことを、相変わらず進めようとしているのが現状です。
自殺防止には薬物療法ではなく根本的な対策、すなわち真の治療が必要です。
予測通り、2012年『自殺者、15年ぶり3万人下回る』 その理由、原因は?

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