過呼吸症候群

【過呼吸症候群】



呼吸について

うつ病等の精神疾患も、呼吸が問題であるには違いなく、実際に「うつ病は呼吸法を変えれば治る」などと称して、セラピーめいたことをやっているところがあります。しかし呼吸法を無理に習得しようとしても余計に悪くなることが多いです。
そうした所に行った患者さんは頭痛や吐き気が止まらなくなったなど、いろいろ問題が出てきたと訴える人も少なくありません。
過呼吸症候群も呼吸が問題ではありますが、精神的な無意識の不安や緊張や葛藤などが身体の神経に影響を与えるために呼吸にも問題が出てくるのであり、呼吸そのものの問題ではなく、基本的には精神疾患の随伴症状であり、自律神経失調症でもあります。

過呼吸症候群の人は、過呼吸の発作が起こっている時だけでなく、普段の呼吸も固くてゆったりしておらず、あまり良くないのです。
呼吸は普段は殆ど無意識に自然にやるもので、訓練で良くするものではないです。
どうしてもやるなら、リュックに重めの荷物を担いで、歩いたり、階段を登ったりするが良いかと思います。
そうすると、肩に負担がかかるので必然的に腹式呼吸をせざるを得なくなります。無理に呼吸法を習得しようとするよりはその方がずっと良いと思います。無理はしない方が良いですが。

発声について
とりあえず、ブレスコントロールとボイスコントコールを分けて、それぞれがうまくできる必要があります。実際にはもちろん息と声は調和、統合して発生する必要がありますが。

緊張が強い人、呼吸が固い人の特徴
・息と声の両方を喉でコントロールしようとしている。
・力みがち
・息のコントロールが外肋間筋と内肋間筋の共同収縮になっている。
・息を圧迫しながら空気を吸おうとしている。
・呼吸が固いとガス交換自体もうまくいかなくなる。

過呼吸の人など、苦しいときにとりあえず紙袋など口に当てると落ち着く場合もありますが、基本的には呼吸を少なくしても調節してもダメです。多くても酸素がうまく取りこめない。酸素を取り込みすぎて、血中の酸素濃度が大きくなりすぎても苦しくなるようです。
逆に激しい運動などをしてハアハアと呼吸が荒く苦しくなっても、健康的であれば精神的にはあまり問題は出ないのです。その意味では人間の身体はかなりの適応性があります。

運動やリラクゼーションも大切ですが、やはり無意識の緊張が身体の神経にも影響しており、根本的な治療により神経の状態や働きを改善させる必要があります。