不眠症

【不眠症、睡眠障害】



不眠症(睡眠障害)について

不眠症の人はいつも寝られないわけではなく、疲れていて眠いのに寝るべき時に寝られない人が多く、むしろ昼間に眠くなったり、意識が鮮明でないことが多いと思います。
むしろ、昼間は生き生きと活動して、夜はぐっすり眠れるように、覚醒と睡眠にメリハリをつけるのが必要です。
そのため、ある程度の運動も必要で、水泳など特に良いと思いますが、多くの人はなかなか運動する機会もとれないかもしれませんが、不眠症の人、特に抑うつ傾向の強い人はなどは普段も神経が消耗しており、運動するのも億劫になっているかと思います。

精神科病院や心療内科などの病院では、不眠症の根本的な原因や要因には対処できず、必ず睡眠薬(睡眠誘導剤)を処方するだけですが、睡眠薬は眠らせる薬物であり、不眠症(睡眠障害)を治療する薬ではありません。眠らせるというより気絶のような意識障害を起こさせる薬で、一応、眠ことはできても神経には負担が強く余計に消耗させてしまいます。

精神科、心療内科などの病院・医療機関による薬物等の治療では、不眠症に限らず症状の軽減はできても根本的な治療治療にはなりません。向精神薬(抗不安薬、抗うつ剤など)が処方されることもありますが、殆どの人には有効ではなく、副作用も強く、基本的は逆効果であるにもかかわらず、依存性や危険性が非常に高いです。ある程度の期間、服用すると止めても激しい離脱症状が起こることが多く、服用するのも服薬を中止するのも危険になってしまいます。

不眠症は特立した疾患ではなく、うつ病、神経症などの精神疾患に伴う合併症と考えるべきですが、精神疾患の人は例外なくうまくリラックスできていません。

精神的な緊張により、神経がムダに緊張し、身体もムダな力が入っているはずです。要は余計なことは考えず、無駄な力を抜けばよいですが。不眠症の人は普段も緊張が強く、リラックスできていません。

特に寝る前はリラックスすることが必要です。
寝る時に明るすぎたり、うるさかったりすると、感覚神経を刺激するので覚醒レベルが落ち難いのでなかなか入眠できません。当然のこと、なるべく暗くして音も消します。
しかし、不安や緊張、恐怖や葛藤が強いと、神経がいつもムダに緊張し、身体の神経にも影響してムダな力が入っているはずです。不眠症の人は肩こりや腰痛などがある人も多いですが、基本的には同様のことです。

筋肉に力が入っていると、筋肉の中にも筋紡錘という感覚器官があり、そこから入る感覚入力が脳を刺激するので、覚醒レベルが落ちにくいのです。
聴覚や視覚よりも、この筋緊張による刺激の方が、脳には大きな刺激となっているかもしれません。当然のこと、いつもムダな力が入っていると疲れてしまい、体力もつかないのです。

精神疾患の人は寝ていても酷く緊張しており、ちっとも休まらないどころか、余計に神経の疲労が蓄積してしまいます。不登校や引きこもり、ストレスで「うつ病」などという人は例外なくそうなっています。
しかし、身体感覚はなかなかわかり難く、自覚しにくいために、余計に悪循環になりやすいです。

またリラックスできていれば自律神経の働きも良いのですが、不眠症の人は緊張が強く、多かれ少なかれ自律神経失調症の症状も伴っているはずです。自律神経も精神的な不安や緊張などの影響を常に受けています。

また脳自体もムダに使っていると、当然のこと神経が休まらず、覚醒レベルも落ちないのですが、不安や緊張、葛藤や強迫観念があるとなかなか難しいものです。
「下手な考え休むに似たり」ですが、むしろ余計なことは考えないほうが良い、というよりそれらのムダな脳の働きに支配されていると、まともな思考はできません。よく寝て考えるのは起きている時にしっかり思考すべきですが、中々難しいものです。

寝ようとしてもなかなか寝られるものではありません。むしろなるべく力を抜いて神経を落ち着けて、休ませるようにするとむしろ寝やすいです。リラックスできていれば自然に寝てしまうものです。

いろいろ気を使ったり、考えたり、身体を動かしても、上手くできて、生き生きと活動できていればそんなには疲れず、基本的に楽しく休めば体力もつきますが、不安や緊張、ストレスなどによりムダに神経を使うと、これといった活動はしなくても無限の消耗にも陥ってしまいます。寝てばかりいても疲労はとれません。

かく言う私も若い頃は酷かったです。もちろん当時は、生き生きとしている人と違ってなぜ自分だけそのようになっていたのか理解できませんでしたが。
朝起きたらげっそりしてしまい、何とか足を引きずるように学校だけは休まず行きましたが地獄のようでした。今から思うと、可愛い子もいるし、勉強でもスポーツでも何をしても良いし、天国みたいなものですが。人と接するのも上手くできず、隣の席に好きな子がいても話もできませんでした。

自律訓練法などのリラクゼーションも有効な場合もありますが、多くの人はなかなか習得できず、焼け石に水で効果もなかなか得られません。
やはりその前に、神経の状態を改善して、上手く神経が働くような基本的な治療が必要です。