寝れば寝るほど眠くなる、うつ病などの傾眠・過眠・嗜眠

寝れば寝るほど眠くなる、うつ病などの傾眠・過眠・嗜眠
 適正な睡眠時間はもちろん年齢差や個人差もありますが、中枢神経疾患(精神疾患ではない)でもない限りは、そんなに違いは無く、ほぼ決まっています。
 6~7時間が適切とも言われていますが、年令と共に徐々に減り、中年以降になるとかなり短くてもよくなります。
 不眠症・睡眠障害の方など、睡眠時間にこだわり、ある程度の睡眠時間は確保しなければならない、寝なければいけないと考えてしまい、むしろ睡眠時間は長かったり、十分足りていても少ないと思っている人が多いようです。
「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」ではあります。
 不眠症・睡眠障害を訴える人の殆んどは、睡眠時間が短いのではなく、寝たいときに眠れない、寝ようとしても眠れない入眠困難、目が醒めてしまうと再び眠りにつくことができない、朝眠くて起きられない、日中も眠気が起こり頭がボッーとしてしまう、といった問題が主であり、睡眠時間そのものが短い人は、余程忙しい人以外はさほど多くありません。
 睡眠不足も良いわけではありませんが、過眠は精神・神経の健康にとって、睡眠不足よりもっと有害と思った方がイイです。
 過眠になると、睡眠は浅くなり、睡眠が浅くなると覚醒時も意識レベルが低くなり、起きているときも十分に覚醒せず、いつも眠気くてたまらない状態になってしまいます。寝れば寝るほど眠くなってしまい、朝起きられず日中も眠くて活動できなくなってしまう。
 寝れば寝るほど眠くなる。これを精神科医も患者もうつ病の悪化と思ってしまうことが多いようです。病気そのものが悪化するのではなく、服薬と不適切な休養によって、うつ状態が酷くなるのですが。
 基本的にはストレスが溜まって眠れなくなるのが、抑うつ状態に陥る過程と言えますが、うつ状態が続いて働けなくなったり、活動できなくなり休んでしまうと、ついつい傾眠、過眠に陥り、状態としては悪化し悪循環になってしまいます。
 うつ病等で休職している人、無職で子供も大きくなった主婦の人、引きこもりの人などは、特に過眠・傾眠に陥りがちです。
 うつ病の人は、仕事などとてもできない、これといった趣味もない、好きな趣味はあるがとても今はやる気は起きない、テレビを見ても面白くない、散歩など出かけるのも億劫、身体も重くいうことをきかない、とても人に会う気はしない、人と会うことを考えるだけでも苦痛、人間関係がわずらわしく、多くの人がいる所など居るだけで気疲れしてしまう、などといった状態にもなりがちです。
 だからといって、何もしないので無為でいるのは、余計に具合が悪くなってしまいます。うつ病は休養すれば良くなるわけではなく、もちろん睡眠時間を長くすれば良くなるわけではありせまん。改善のためには、休養よりむしろ適度な活動が良いのです。
 健康な人でも、盆暮れ正月など1週間も休みが続いてゴロゴロと寝正月などしていると、正月ボケになってしまいます。一時的、擬似的、軽度うつ状態のようになってしまう。
 年が開けて2~3日は、リハビリ出勤のようなもので、取り戻すのもちょっと時間がかかります。帰省やレジャーも疲れるし大変ではありますが、海外旅行など行っていた人の方がずっと元気だったりするのは、気晴らし、リフレッシュという意味だけでなく、ある程度の活動レベルを保っているからもあります。
 昔、「土方殺すにゃ刃物はいらない、雨の3日も降ればイイ」などという言い方がありました。
 3日くらい食事を取らなくても寝なくても人間死にはしません。しかし、3日も働かずゴロゴロしていると、何もやる気が無くなり、天気が良くなっても仕事に行く気力もなくなる。そうして休養が3日では済まなくなり、朝っぱらから酒を飲んでしまったり、ゴロゴロと朝寝、昼寝をしてしまうと、どんな人も具合が悪くなってしまうのです。
 仕事に行く気力もなくなり、身体も重くなり、ついつい続けて休んでしまうと、さらに仕事に行くのも億劫になり大変になり悪循環となってしまうのです。
 何日も仕事をしないと、当然収入もなくなり生活も追い詰められ、ロクでもない考えばかり浮かんでしまい、ネガティブな思考ばかりに取り憑かれてしまい…、昔の人も今の人も、知的な人もそうでない人も、肉体労働者も頭脳労働者も基本的には同じです。
 睡眠時間は適正な時間より少し短めくらいがちょうどいいのです。その方が入眠しやすく、睡眠も深くなり、早朝覚醒等も少なくなります。
 多少の睡眠不足でも、時々電車の中で居眠りしたり、休みの日にはたまにちょっと寝坊するくらいで、だいたい数日間のうちで均して辻褄があっていれば問題はありません。過眠がいけないのは、健康な人でもうつ病の人も同じ…、というより、うつ病の人にとってはなおのこと有害です。もちろん、なるべく規則正しく、生活リズムをきちんとしたほうが良いのは言うまでもありません。
 ではどうしたら良いのか。とりあえず、何でもイイのです。横になるよりは何もしなくても、座っている方がいいし、ただ座っているよりはラジオでも聞くほうがいいし(テレビよりもイイかも)、座っているより立っていたほうがいいし、ただ立っているよりは動いたほうがイイです。人間、身体を動かしたり、人とかかわったり、生き生きと活動している分には、むしろ疲れないのです。過度のストレスや緊張を長時間強いられるのでなければ。
 うつ病の人は何もしなくても、休んでいても、寝ている時でも神経の過緊張・過活動になっています。
寝ている時も休養、疲労回復になるどころか疲れてしまう。
 抗うつ剤など薬を飲んでいると神経に負担をかけるので、なお良くないし、寝付きが悪いからといって、睡眠導入剤など服用すると、眠気も残り、ますます良くないです。
 「うつ病はエネルギー切れ」ではなく、エネルギーの極度に過剰で無駄な消費です。もちろんストレスがあればなおのことです。
 趣味をやろうにも、前は好きだったこともとてもやる気がしない人も多いでしょうけど、むしろ新しい趣味でもした方がいいのかも知れません。
 私が勧めるのは、ウオーキング(散歩でもイイ)、軽い山歩き、自転車、水泳など、軽い一定のリズムを持った運動です。寒かったり暑かったりしますがむしろその方がいいのてす。そのほうが感覚入力があり、神経にとっては良い刺激になるので。
 ウオーキングもちょっと歩くだけでなく、ある程度の時間、距離を歩くとむしろ調子が出てきます。天気が良ければなおイイですが、雨でも出かけるのを習慣に出来れば良いと思います。睡眠や生体リズム維持のために必要なメラトニンを体内で合成するためには、太陽に当たることも必要です。
 私は40代半ばになって、初めて泳げるようになり、しばらくは1日おき位にプールに行ってましたが、その頃から、入眠時にウトウトして眠るのではなく、コテンと寝るられるようになりました。
 しかし、軽く散歩といっても出かけるまでがたいへんです。もっと手っ取り早い方法はないのか?
そういう人はまず、朝起きたら逆立ちをしましょう。もちろん壁を使って。壁には背中ではなくお腹側を向ける。壁に足を着けるのは踵側ではなく爪先側にしたほうが楽です。逆立ちした状態で腕を少し曲げたり伸ばしたり、上下の動きは5cm以内で十分です。
 この方法だと体重が肩にかかって負担は大きい割に、肩関節にはあまり無理な力は加わらないので、痛めにくく鍛えることができます。重いものを持ったりするより負担が少ない。もちろん、肩など痛めないように気をつけて下さい。
 特に体重が重い人や、肩が弱い人、痛めている人でなければ、むしろ五十肩の予防にもなります。体重が重すぎる人はもちろん減量らしたほうがいいですが、そのためには運動、そのためにはまずなるべく朝起きて…
 腕の曲げ伸ばしは30~50回位、顔が真っ赤になって苦しくなってもう限界!というくらいまでやってるみる。ちょっとキツくて1分くらいしかできませんが、それで十分です。上肢の筋力も付くし、肩も鍛えられるし一石二鳥です。高齢の人は難しく、無理は禁物ですが。
 寝ぼけて朦朧とした状態でやることもあるでしょうけど、安全にはくれぐれも注意して行なって下さい。
 これをやると、うつ病休職中や長期引きこもりの人でも、今日はちょっと散歩してみるか…、図書館でも行って本を読んでみるか…、といった気になってきます。そこでまたゴロゴロせずに実行するのがイイのですが、そのためにまず…、どこかで悪循環を断ち切ることが必要です。
 精神科で「うつ病は休養」が必要と言われ、休養すると過眠・傾眠傾向になりやすく、余計に具合が悪くなり悪循環にることが多いのです。
 「うつ病は早期に受診、服薬、休養すれば治る」と言われて久しいですが、ある意味、これ程マズい、うつ病の対処法は無いとも言えます。重症でもなかったのに悪化・遷延化、慢性化する人が多く、「早期受診、休養・服薬」の「成果」はすでに明らかです。
 当所の治療を受けられた方は、病気が改善するばかりでなく、新しい趣味を見つけたり、習い事やボランティアやグループ活動など、今までしなかった活動を始める人もとても多いです。
※こちら(別ページ)も御覧ください。
睡眠・覚醒の確立、維持。休養もけっこう危険! うつ病、不眠症など。
睡眠薬・抗不安薬、処方量でも… 依存症にご注意!ベンゾ系、ベンゾジアゼピン
薬に頼らない、不安の解決法、解消法、対処法、克服方法

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精神科医も抗うつ剤等の向精神薬の危険性や、多剤処方の問題にようやく気づき出した?

精神科医も抗うつ剤等の向精神薬の危険性や、多剤処方の問題にようやく気づき出した?
SAPIOの記事「うつで病院に行くと殺される!?」や、フジテレビ「特ダネ!」などの影響はあるようです。また、ココだけでなく、反精神医療のプログも少しづつ増えて、それなりに注目されていますから。精神科医自身が情報を得ることはなくても、受診している患者さんから聞かされるのでしょう。一部の精神科医も抗うつ剤等の向精神薬の危険性、多剤処方の問題にようやく気づき始めたようです。
多剤処方から単剤化しただけでも、多くの精神医療過誤、向精神薬害の被害は縮小し、自殺者もおそらく3万人×13年から、2万5千人以下には減るでしょう。しかし、単剤だからといって向精神薬の害がなくなるわけではありません。抗うつ剤等、向精神薬は単剤でも長期に渡って服用することを考えると十分すぎるほど危険です。
自殺企図の履歴があったり、リストカットの衝動行為がある人にはSSRIなどの新世代抗うつ剤は出さない精神科医も増えています。うつ病と診断しておいて抗うつ剤を出さないとはどういうことなんでしょうか?、そもそも誤診が殆んどですけど。
SSRIなどの新世代抗うつ剤の代りに、旧世代抗うつ剤(三環系、四環系など)を処方するという傾向もあるようです。
精神科医もようやく向精神薬の危険性を理解するようになったというよりも、抗うつ剤の作用で自殺でもされて、訴訟でも起こされたらたいへんだという自己保身のためでしょう。自殺は訴訟につながることが予測できますが、治らなくても訴えられるということはありませんから。
そのような精神科医もつい最近までは、自殺念慮のある患者には自殺でもされたら困ると、バンバン複数の抗うつ剤を出していたわけです。
とはいえ、精神科医に減薬、変薬、断薬や(多剤はもちろん)単剤処方ののノウハウがあるわけでもないので、やはり非常に危険です。旧世代の抗うつ剤は、目立つ副作用が酷く、薬の量が増やすことにはそれなりに抵抗があり難しいので、まだマシかもしれませんが。
向精神薬そのものが、副作用も強く、危険性が高いばかりではなく、治療に役立つものではなく、悪化・慢性化させ、薬物依存症にしてしまうだどいうことが精神科医に理解できるまでには、まだだいぶ時間がかかりそうです。

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