自律神経失調症

【自律神経失調症】

自律神経失調症、身体表現性障害、心気症、心身症について

自律神経失調症とは…

不定愁訴症候群ということもあります。様々な身体症状が出現しているのに、検査をしても異常はなく、症状は心理的ストレスにより一定ではなく、しばしば変化することが多いです。

身体は何ともなっていなくても、自律神経失調症の症状はかなり辛く、二次的に不安やイライラ、不眠、抑うつ気分などの精神症状が伴うこともあリますが、基本的にはむしろ精神的な影響が身体の神経に作用し、身体症状としても現れるものです。神経症、うつ病などほとんどの精神疾患の場合、程度の違いはあれ自律神経失調症をともなっています。

更年期障害はホルモンバラスなども影響していますが、自律神経失調症の面が強く、やはり精神的にあまり健康でない人は重くなりやすいです。

自律神経とは、主に身体の調節をする神経の働きです。具体的には呼吸、脈拍、循環、体温、発汗、内臓の働き、ホルモンのバランス、代謝など、身体の状態や環境に合わせて自律的に働き、恒常性を保つので自律神経というわけです。
基本的には交感神経と副交感神経系の拮抗作用により身体の調節をしています。

健康的であれば、だいたい上手く働き恒常性を保ち、身体も生き生きとしているのですが、無意識の不安や緊張、葛藤などの影響を受けて神経の働き、バランスが悪くなり様々な身体的な問題をもたらします。身体の不調として現れるはとは言っても、基本は身体疾患ではないので、いろいろ検査などして調べても病因は見つけられないのが普通です。

暑さ寒さに弱かったり、女性の冷え性とか、運動しているわけでもないのに緊張して汗をかいたり、ドキドキしたり、呼吸が荒くなったり、といったことも広く考えると自律神経失調症の症状と言えます。悪いものを食べたわけではなくても、お腹の調子が悪くなったり、症状はいろいろです。

血行やホルモンのバランスや代謝が悪いと身体の病気にもなりやすく、「病は気から」というのもそういうことでしょう。

肩こりや腰痛なども自律神経失調症の面がありますが、どちらかと言えば運動・感覚神経失調症でしょう。精神的な影響は感覚や運動など様々な面で身体的にも影響します。

一般的な症状としては、全身の倦怠感、疲れやすい、微熱といった全身症状や、頭痛(偏頭痛)、耳鳴り、めまい、筋肉痛、手足の冷え、しびれなどの感覚異常、動悸、息切れなどの呼吸循環器症状、食欲不振、胃のもたれ、腹部不快感、などの消化器症状など、身体の様々な症状があり、腹痛を伴う下痢や便秘を繰り返す敏性腸症候群も自律神経失調症といえます。

心身症(身体表現性障害)

身体疾患の発症や経過にストレスや、心理・社会的因子が大きな要因となっており、実際に器質的・機能的な障害がある場合は心身症と言います。最近は身体表現性障害と言われることもあります。
昔はよくあったのは胃潰瘍などですが、昔は酒を飲むのに「自棄酒(やけざけ)」というように悪い飲み方をする人が多かったのです。胃に穴が空いたとか、半分切除したなんて人をよく聞いたものです。ストレスを貯めてしまい、自分の問題として対処するのではなく、周囲や他者のせいにしてしまうけど、それを他者には言えない向けられず、ストレスに上手く対処したり、自分の心の中で対処、処理できない気の小さい人に多かったようです。ちなみに気が小さいのと尊大なのは両立します。「心は大きく態度は謙虚に」を心がけるべきでしょう。

その後、ピロリ菌が原因とも言われるようになりましたが、そうした菌の保持者でも精神的に健康で、自律神経の働きが良ければ胃も良い状態に保たれ、胃潰瘍などにはならないわけです。

もちろん精神的なストレス等の影響は胃潰瘍だけでなく、様々な身体症状というよりも疾患をもたらすことがあり、実際に器質的に問題が出て、身体疾患になるのは心身症で、別に癌になっているわけでもないのに、癌になるのが不安で不安でしょうがない、物事も手につかないといった人は心身症ではなく心気症というべきです。
どちらかと言えば少なくなった気がしますが、いずれも医療の進歩と知識の普及が影響しているように思います。
「自律神経失調症」の本当の原因は?
もちろんストレスなども影響しますが、同じ状況でもストレスにならない、そもそもストレスになるのを避けている、上手く乗り越えられる人もいるわけで、薬でごまかすのではなく、精神的に向上、成長をはかり克服すべきでしょう。

根本的には幼児期からの周囲の精神的環境や親の対応などの影響が根本の原因です。そのために、ストレスの対処や克服法も身についていないかもしれません。
むしろ、神経が幼児期の親の支配に影響され、自分にあった使い方ではなくなっています。幼児期からの心的な影響が、強力な催眠のようになって神経を支配しています。自分の身体、自分の身体は自分のもので、今の環境や状況に応じて上手く自律的に働いていれば良いのですが、それを阻害しています。

環境によるトラウマの影響だとしても、自分の精神・神経も身体も心も自分のものであり、解決や克服のためには、大人になったら自分で自分を育て直し、適応能力を高め精神的に成長するしかないのです。

・自律神経失調症、身体表現性障害(心身症など)の治療法、対処法
 精神科、心療内科などの病院・医療機関による薬物等の治療では、症状の軽減はできても根本的な治療治療にはなりません。向精神薬(抗不安薬、抗うつ剤など)が処方されることもありますが、殆どの人には有効ではなく、副作用も強く、基本的は逆効果であるにもかかわらず、依存性や危険性が非常に高いです。ある程度の期間、服用すると止めても激しい離脱症状が起こることが多く、服用するのも服薬を中止するのも危険になってしまいます。

基本はリラックスして神経の状態を良くする必要があり、「リラクゼーション法」も役立ちますが、それ以前に基本的な治療が必要で、そうしないとなかなか効果は上がりません。